「洋上風力発電」のパイオニアに! ~地域活性化&企業誘致につなげる~
【画像】秋田港洋上風力発電所
秋田県秋田市は全国に先駆けて再生可能エネルギーの導入が進んでいます。特に日本海側から吹く強い風を生かした風力発電の導入が進んでおり、2023年1月には、秋田港で13基、能代(のしろ)港で20基の洋上風車による、国内初の商業ベースでの大規模な洋上風力発電所が稼働しました。今後も一般海域での洋上風力発電の導入が進む中、秋田市では今後、発電設備の建設やメンテナンスに関する専門知識や技能を習得した人材の育成と関連企業の誘致を行い、地域活性化につなげたいと考えています。今回は秋田市産業振興部新エネルギー産業推進室の向川さんに、人材育成と関連企業誘致事業を行っている背景や成果、そして未来への展望について伺いました。
国内初となる商業ベースでの洋上風力発電所の運転が開始
秋田市では洋上風力・陸上風力・太陽光・バイオマス・水力など、様々な再生可能エネルギーが導入されています。特に洋上風力発電は全国に先駆けて商用運転が開始され、今後の「成長産業」として期待が寄せられています。しかし一方で「秋田市は若者の人口の流出を主とする人口減少が進んでおり、本市の喫緊の課題となっており、これを克服するための取組が必要と考えています。」と向川さん。そこで今回「再生可能エネルギー関連産業人材育成支援事業」と「再生可能エネルギー関連企業誘致推進事業」の2つの事業で寄付を募ることとなったそうです。
【画像】「あきた新エネルギーカレッジ」修了式
再生可能エネルギー関連産業への理解促進と将来的なキャリアプランの形成を目指し学生を対象としたイベントを開催
1つ目の「再生可能エネルギー関連産業人材育成支援事業」については「高校生や大学生など次世代を担う若者をターゲットとした取組と地元企業の洋上風力発電施設の建設やメンテナンスに関する専門性の高い人材の育成支援の2つを柱に展開しています」と向川さん。今年度は、2024年より実施している「あきた新エネルギーカレッジ」を継続して開催し、再生可能エネルギー関連産業への理解促進を目指し、市内の大学生が再生可能エネルギー関連施設の見学や座学での講義を受講したほか、学んだことを元に、「再生可能エネルギーを活用した地域活性化策を考えてみよう」というテーマのもと、グループワークを実施しました。また、新たに高校生・保護者・教員を対象とした取組として、「あきたREハイスクールEXPO」を2025年12月7・8日に開催しました。事業の目的ついて「人口減少の主な要因は若者の流出です。まずは、再生可能エネルギー関連産業について知ってもらうこと、そして市内に魅力ある働き場があることをアピールしたいと考えています」と向川さんは語ります。
【画像】秋田市にあるポートタワー「セリオン」で企業誘致に向けた取り組みを実施
関連企業を誘致することで、地域活性化につなげる
本文:「再生可能エネルギー関連企業誘致推進事業」は、関連企業の誘致やビジネスマッチングを通じて、関連産業の振興による地域活性化に結び付けるというものです。「洋上風力発電施設のメンテンナンスなどの関連企業以外にも、大量の脱炭素電源を必要とするデータセンターの誘致を進めています」と向川さん。「データセンターは膨大なサーバーの稼働と、そのサーバーの冷却のために電力を大量に消費します。世界的な脱炭素の潮流の中で再生可能エネルギーなどの脱炭素電源の活用が求められており、豊富な再生可能エネルギーを有する秋田市は、こうしたデータセンターの立地に適しているものと考えています。さらにデータセンターの立地により、直接的な経済波及効果のみならず、周辺に関連企業が集積し、さらなる経済活性化が期待できます。」と続けます。「2025年10月には、市内にあるIT関連企業エスツー、人工知能関連の海外企業Bitgrit, inc.、そして秋田市の3者が、市内でのAIデータセンター立地に向けた連携協定を締結しました。これまで戦略的に進めてきた誘致活動が成果として出てきました。」と続けます。データセンターの誘致は再生可能エネルギーの有効活用だけでなく新規産業の創出につながる可能性を秘めた事業といえます。
【画像】日本海から吹く強い風を生かした陸上風力発電も盛ん
日本海側エリアにおける洋上風力の拠点を目指す
「今後、北海道から新潟県までの日本海沿岸で洋上風力発電の導入が進められる予定となっています。秋田市はその丁度中心地に位置しています。今後、日本海側の洋上風力発電の拠点となるべく、人材育成や関連事業の振興により、洋上風力発電関連産業を牽引し、日本、そして世界をリードしていきたいと考えています」と向川さんは力を込めます。「我が国では2050年カーボンニュートラルの実現が国際公約となっており、再生可能エネルギーの重要性が高まっていることから、適地である本市には、今後も洋上風力発電などの再生可能エネルギーの導入が進んでいくものと考えています。企業版ふるさと納税制度によるご寄付を活用させていただき、関連産業の振興に向けた次世代人材・地元企業の育成や関連企業の立地による地域活性化を図っていきます。さらには市民がこうした街の姿に「誇り」と「愛着」を持つことで、「シビックプライド」が醸成されていくものと考えています。」と向川さん。
「秋田市は、再生可能エネルギーの導入が先進的に進んでおり、我が国のカーボンニュートラル推進を牽引していく存在だと自負しています。若者の流出に伴う人口減少が課題となっていますが、洋上風力発電はこうした課題を解決する起爆材となるものと考えており、本市の強みを活かし、再生可能エネルギーを活用した街づくり、そして経済活性化を推進してまいります」と将来の展望を説明してくれました。「もし、秋田市に少しでも興味がわいたら、ぜひ足を運んでいただきたいと思っています。洋上風力発電だけではなく、秋田市の自然や食文化など秋田市にしかない魅力をぜひ知っていただければと思います。」と締めくくってくれました。
語り手
秋田市産業振興部新エネルギー産業推進室
向川さん
| 自治体 |
秋田県 秋田市 |
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